7月9日

故郷沼津で初高座 立川文志さん

来月実施、父を招待「江戸文字」落語披露
沼津市内で初の寄席を開く立川文志さん
 「おやじには、最高の親孝行になると思います」――。「江戸文字」を駆使する異色の落語家で、沼津市にゆかりがある立川文志(ぶんし)さん(63)(本名・佐藤敦之(のりゆき))と俳優風間杜夫さんらの顔合わせによる寄席「立川文志とその仲間たち」が八月一日午後五時四十五分から、沼津市御幸町の同市民文化センターで開かれる。

 文志さんは台湾生まれ。五歳の時、御殿場市に両親の実家があった関係で沼津市本田町に移住し、市立第五小、第五中、県立沼津商高を卒業した。高校時代から書や絵を書くのが好きで、都内のデザイン会社に就職。三年後にグラフィックデザイナーとして独立した。

 仕事の息抜きで寄席に通ううち、出演者名や演目の文字などに興味を持ち、七二年、落語家の立川談志さんが家元の「立川流落語会」の門をたたいた。

 文志さんは、一歳の時にかかった小児マヒが原因で左足が不自由。そのせいか、落語家を志したのに入門当時は人前に出たり、話したりするのが苦手だったという。

 しかし、神社などの柱に張られる「千社札」の文字を基本に、寄席の看板文字や相撲文字などを取り入れた独自の「江戸文字」を確立。高座では、江戸文字を書きながら、ユーモアを交えて漢字の意味などを紹介する「江戸文字アラカルト」を得意とし、九八年には真打ちに昇進した。

 父親の佐藤源吾さん(90)は、沼津市内で独り暮らし。これまでは、同級生らの会合に招かれて、落語を披露したことはあったが、市内で本格的な寄席を開くのは今回が初めて。文志さんは、「おやじは、私の高座を一度も聞いたことがないので、招待したい」と張り切っている。

 今回の寄席には、沼津市今沢出身の立川らく坊さん(本名・深沢克久)や津軽三味線の高橋竹童さんらも出演する。

 入場料は三千円。問い合わせは、有限会社文志(03・3609・2305)へ。